「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」とは?
「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」は徹底した「安心の瓦・安全な施工」を追求した施工仕様です。
瓦屋根は日本の風景を語る時には欠かせない長い歴史をもった素晴らしいもので、優美に、豪快にあるいは素朴に、おしゃれに、建築物の多様な用途・要求に対応出来る よう、社会状況の変化に合せるようにあるいは先取りするように瓦の形状や瓦葺き構法等の 多様化にたゆまぬ努力が重ねられてきました。
しかし近年の暴風や地震といった自然の 脅威に対して、耐風安全 性も含めた、また技術データに裏付けされたガイドラインのようなものは必ずしも整備され ているとは言えませんでした。
そこで、全日本瓦工事業連盟は屋根の安全性を明確化し、お客様に安心して屋根工事をご依頼いただけるように、標準試験により確認された施工方法を「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」としております。
つぼみ瓦工業の3つの安心
1・地震に強い
屋根工事に防水下地材を屋根一面に貼り瓦を葺いていきます。
従来は防水下地材に釘やビスによる穴を極力開けないように瓦を数枚ごとに釘やビスで止める施工が一般的でしたが、防水下地材の品質向上により、全ての瓦を屋根地に釘やビスで固定できるようになりました。
その結果、屋根を横に向けて回転させても強力に瓦が固定されたガイドライン工法が完成しました、加速度1000ガルでも瓦が落ちてこない性能基準に沿って補助器具を使い耐震実験で証明された施工方法です。
2・暴風雨に強い
3・丁寧な安心施工
ガイドラインで施工された屋根は強い!
ガイドライン工法の耐震実験(阪神・淡路)【愛知県陶器瓦工業組合】
ガイドライン工法で施工した切妻屋根を、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)JR鷹取駅の震度7地点と同等の震動で耐震性を検証。実験は6回連続で、4回目から6回目では鉄筋6階建ビルの屋根を想定。
【実験結果】
耐震実験で瓦の脱落は見られず、ガイドライン工法で施工された屋根は、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)と同等の震動でも、棟の崩壊や瓦の脱落を防ぐことができることが証明されました。
既存棟耐震補強工法の耐震実験【愛知県陶器瓦工業組合】
ガイドライン策定後、業界は、住宅関係各界への普及に努めて参りましたが、関係者にガイドライン工法の意義をご理解いただき、広く普及していくためには同ガイドライン工法に基づいて施工された瓦屋根は大地震にも耐えるとの実証(動的実験)を行う必要性を強く感じ、平成16年(2004年)10月に茨城県つくば市でガイドライン工法による瓦屋根の耐震実験を実地しました。
実験の目的は、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」による粘土瓦の屋根が、阪神淡路大震災クラスの地震、予想される東海大地震においても十分な安全性を持つことを確認することです。
瓦業界ではこれまでも実験を繰り返してきましたが、ガイドラインの例示工法による耐震実験は初めてです。また昨今では、「寄棟」形状の屋根が増えていますが、実験では「寄棟」の屋根でも、ガイドラインの例示工法で施工すれば安全な屋根が実現できることを確認します。
【実験結果】
各加振ごとに目視により試験架台の状態を確認した結果、瓦の脱落、ズレ、浮き上がり等は一切確認されなかった。ガイドライン工法の瓦屋根は「震度7クラスの地震に耐える強度を有している」と言えます。
伝統的木造軸組構法住宅の耐震性能検証実験に三州瓦を提供しました。
ガイドラインの例示工法で施工すれば安全な屋根が実現できることを確認
平成20年11月27~28日、『伝統的木造軸組構法住宅の耐震性能検証実験』が(財)日本住宅・木材技術センターと独立行政法人防災科学技術研究所との共同研究として実施されました。
この実験に屋根材として三州瓦を提供し、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」による瓦の施工がされました。
尚この実験は、『伝統的木造軸組構法の建物は、これまで一般的に技術の伝承としての仕様に基づき建設されてきましたが、構造的な安全の検証がもとめられています。
建築基準法においては、このような建築物の安全の検証として、限界耐力計算等の高度な構造計算を要することが多いため、本事業は、伝統的木造軸組構法住宅の設計法を開発し改正建築基準法に基づく当該建物の審査に係る環境を整備することにより、これらの建築物の円滑な建築に資することを目的としております。』【(財)日本住宅・木材技術センター】
【実験結果】
実物大住宅の性能検証振動台実験で、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」にて施工した屋根瓦に損傷はありませんでした。